双六岳登山記

2016年8月30日〜9月2日

 迷走を続けた台風10号の進路が定まりかけた8月29日、翌日からの登山行を決し準備にかかる。

【8月30日(火)】
 8時に家を出て、13時には新穂高温泉の登山者用無料駐車場に着いた。8月下旬の平日、しかも台風が東北地方を通過する当日なのだから、駐車場はガラガラ状態だった。小雨が降る中、身支度を済ませて13時30分出発。途中、登山指導センターで登山届けを提出してわさび平小屋をめざす。
 出発地の標高が1100m近くあり、めざすわさび平小屋は1402mである。標高差300m余の林道歩きだから、ちょっとした準備運動といったところだ。…と言いたいところだが、雨具を着ていることもあり大量の汗をかいてしまった。14時50分、わさび平小屋着。
 わさび平小屋は収容人数60人の小さな小屋だが、利用者が少なかったおかげで6畳の部屋を「個室」として使えた。この小屋にはありがたいことに風呂があって、16時の1番風呂で汗を流した。17時の夕食時に集まったのは20人程度。すぐそばの指定地でテント泊をしている人も同程度いたようだ。予想に反して雨は夜半まで上がらなかった。


【8月31日(水)】
 4時30分、朝食。5時40分、双六小屋をめざして出発。空は曇っている。「今日は槍は見えないだろうね。」…そんな山のベテランさんたちの会話が聞こえてくる。鏡平までの長くてしんどい登りの唯一の楽しみは、そこまで行けば綺麗に槍ヶ岳が見えるってコトなのに…。
 ところがどうだろう。鏡池に着いてしばらく待っていると、槍の穂先の雲が晴れていった。風のせいでさざ波が立ち、逆さ槍こそ見られなかったが、それは下山時の楽しみにとっておこう。
 9時15分、鏡平山荘着。わさび平小屋からの所要時間は3時間35分、ガイド本によってバラツキはあるがほぼ標準時間かそれを上回るペースだ。
5時40分、わさび平小屋を出発。
7時17分、シシウドヶ原の少し上で。振り返ると、林道との分岐あたりが白く見える。遠くに焼岳が見えている。
鏡池と槍ヶ岳。鏡のような水面に槍を映すので「鏡池」と名付けられたとか。あいにくのさざ波で鏡にはならなかったが…。
槍ヶ岳山頂部の雲が晴れ、穂先が姿を現した。 鏡池と穂高連峰。北穂には雲がかかり、奥穂は山頂まで見えている。
9時15分、鏡平山荘着。ここの標高は2300m。わさび平小屋から3時間35分で900m上がってきたことになる。 小屋の前からは槍ヶ岳がよく見える。
 しばらく休憩をして、9時40分出発。双六小屋までは2時間20分ほどの行程。昼には着けそうだ。
 鏡平山荘から弓折岳の分岐点である弓折乗越まで57分、標準タイム(60分)どおりに進んだ。ここの標高が2560mで、のぼりはさらに先の花見ベンチまで続く。花見ベンチのあたりが2630mあって、鏡平からは360m上がったことになる。そこからは2525mくらいまで、アップダウンを繰り返しながらざっと100m下っていく。最後に25mほどを緩やかに上り返すと、双六小屋の建つ2550m地点に着く。行程の最後に待っていたアップダウンは結構きつく、分岐からは87分要して12時4分に小屋に到着した。
 台風10号は日本列島から離れていったが、吹き返しの風というやつだろうか、小屋の周辺は立っていられないほどの強風が吹き続けた。その強風の中、25張余のテント泊の人がいたが、バーナーとかどうしたんだろう。小屋は収容人数200人ということだが、予想外に宿泊客が多かった。夕食が2回に分けられたところから考えると、100人超の人がいたと思われる。私たちは、6畳の部屋にもう1組のご夫婦と泊まった。同室のご夫婦は福島県の方で、ご主人が73歳。明日は鷲羽岳に登頂後、高天原山荘まで行くそうだ。北アルプスの最深部で、温泉が湧いている。標準タイムでも6時間はかかる。スゴイとしか言いようがない。19時、早々に眠りに就く。風はなお強い。
   
9時40分、鏡平山荘出発。正面の山が樅沢岳、これから向かう双六小屋は樅沢の左下に位置する。 アオノツガザクラ
オヤマリンドウ 槍から穂高の稜線。左から槍ヶ岳(3180m)、大喰岳(3101m)、中岳(3084m)、南岳(3180m)、切れ落ちているのが大キレット。北穂高岳(3106m)、涸沢岳(3110m)、奥穂高岳(3190m)、ジャンダルム(3163m)、西穂高岳(2909m)と続いている。
   
 10時00分、弓折中段の少し手前からの槍ヶ岳。 10時11分、弓折中段のわずか先にて。 
   
  10時37分、弓折分岐 
   
  北穂高岳。300mを一気に登った左山頂部に登山者に人気の北穂高小屋がある。 
   
 10時42分、手前が槍に通じる西鎌尾根、右端中央の緑が恐怖の北鎌尾根のはし。そして、正面には大天井岳(2922m)が見える。 ヤマハハコ 
   
シナノオトギリ  西鎌尾根 
   
11時2分、くろゆりベンチ手前からの槍ヶ岳。右に見えているのが槍ヶ岳山荘。  11時3分、すぐ先のベンチが「くろゆりベンチ」。正面奥に鷲羽岳と水晶岳が見えてきた。左のピークが双六岳で右が樅沢岳。 
   
 11時11分、来し方を振り返る。 11時15分、双六岳。中央やや左のピークが頂上で、標高は2860mある。 
   
 11時16分、双六小屋が見えてきた。ここから小屋のある鞍部へ下りていく。 手前に双六池があって、その向こうに双六小屋が見える。左の斜面が双六岳で右が樅沢岳。正面に聳えるのが鷲羽岳(2924m)、その左奥が水晶岳〔黒岳〕(2986m)である。 
   
   
   
 11時53分、進行方向から左に振り返ると笠ヶ岳が見えた。 笠ヶ岳(2897m)は綺麗な編み笠の山容からその名がついた。手前の錐形が小笠で、笠ヶ岳山荘を経て左が笠ヶ岳山頂。笠ヶ岳は播髀辮lが再興した山で、上人はそこから眺めた槍ヶ岳に感動して開山に至った。 
   
 12時4分、双六小屋到着。鏡平山荘からの所要時間は2時間24分。小屋の標高は2550mだから、スタート地点からは1450m登ってきた。 小屋の前からの眺め。右が鷲羽岳で左が三俣蓮華岳、その鞍部の左に三俣山荘が見える。その下は三俣蓮華カールになっている。奥に見えているのは祖父岳で、その裾には憧れの雲ノ平が広がっているはずだ。 
   
鷲羽岳の山姿は大きくて美しい。   
【9月1日(木)】
 5時朝食。小屋にリュックを預けて、空身で双六岳山頂をめざす。6時出発。
 いきなりの急登が10分ほど続き、なだらかになったところで三俣蓮華への巻き道・中道の分岐がある。そこからまた急な登りになり、6時37分に山頂部の台地に出た。とても山頂とは思えない広さで、立ち止まっては写真を撮りながら頂上に着くまで30分近く要した。7時5分、双六岳登頂。
 双六岳は展望の山で、日本百名山のうち12座を確認した。もちろん目的の第一は槍ヶ岳であったが、360度すべてが絶景だった。
 20分ほど頂上からの景色を堪能し、三俣蓮華岳への稜線に出て中道を下った。1時間ほどのルートだが、のんびりと写真を撮りつつ1時間半ほどかけて小屋に戻った。9時、双六小屋着。
 
   
9月1日5時17分、部屋から双六池方面を見る。強風もおさまり、絶好の登山日和だ。  昨日あがってきた弓折がすぐそこに見えている。 
   
5時23分、小屋の表に出ると東の空が朱に染まっていた。  5時24分、鷲羽岳の山肌がモルゲンロートに染まる。 
   
 振り向けば、双六岳にも朝陽が差していた。 5時25分、日の出を迎える。 
   
6時37分、小屋から37分で双六岳頂上直下の台地に到着。正面に鷲羽岳が見える。  鷲羽岳 (2924m)…日本百名山
   
水晶岳〔黒岳〕(2986m) …日本百名山 三俣蓮華岳から鷲羽岳に向かう稜線と、その下には黒部源流域が見える。 
   
 正面右手が双六岳頂上。 双六岳頂上(2860m) …日本二百名山
   
 トウヤクリンドウのつぼみ 6時45分、 頂上手前で左を見る。正面に弓折岳から抜戸岳、右の錐形が笠ヶ岳。左奥には焼岳、乗鞍岳が見えている。
   
笠ヶ岳(2897m) …日本百名山  右端の低いピークが弓折岳(2592m)。昨日、その直下2560m地点を左方向から通過してきた。正面の高いピークが抜戸岳(2813m)。
   
雲の向こうに乗鞍岳、さらに右奥に御嶽山が霞んでいる。  焼岳(2455m) …日本百名山 
   
 乗鞍岳(3026m) …日本百名山
コロナ観測所が白く光って見える。
 振り向けば、槍ヶ穂高の稜線がそこにある。
   
 
   
   
   
  穂高岳(3190m) …日本百名山 
   
  槍ヶ岳(3180m) …日本百名山  
   
7時6分、双六岳頂上から左前方を望む。三俣蓮華岳への稜線の奥、正面に薬師岳が見える。  薬師岳は大きく美しい山だ。 
   
薬師岳(2926m) …日本百名山   
   
  水晶岳 
   
 水晶岳からの稜線上に温泉沢ノ頭(2904m)があり、さらに左には赤牛岳(2864m)が霞んで見える。さらにさらに、奥に聳えているのは、右が立山で左が剱岳。 立山(3003m) …日本百名山 
   
剱岳(2999m) …日本百名山 白山(2702m) …日本百名山 
白山は、薬師岳のある方角の雲の中に浮かんでいた。 
   
 御嶽山(3067m) …日本百名山 焼岳の頂上中央部に白煙が確認できる。 
   
 乗鞍岳  
   
   
   
  黒部五郎岳(2840m) …日本百名山 
黒部五郎岳の右下が黒部五郎カールで、その下に雲ノ平が広がる。
   
 中央の低いところが太郎兵衛平で、太郎平小屋が見えている。ここから左に行くと黒部五郎岳、右に進むと薬師岳。中央の低い部分が雲ノ平である。 20分近くを頂上で過ごした。見飽きることはないが、三俣蓮華岳への稜線へと下りていく。 
   
  下り始めると斜面にチングルマの綿毛が揺れていた。 
   
   
   
綿毛も間もなく終わりを迎える。  山頂を振り返ると、上空にチングルマのような雲が浮かんでいた。 
   
 コバイケイソウの葉が黄葉していた。その向こうに槍ヶ岳。 稜線の分岐で中道を下る。これから進むルートが槍の方向に延びている。 
   
 槍の好展望地である樅沢岳と槍ヶ岳。双六小屋は双六と樅沢の鞍部にある。 中道にて。右手の斜面の上方が双六山頂。 
 9時26分、鏡平山荘に向けて出発。
 100分ほどの下山ルートだが、昼に着けば十分なので写真を撮りながらのんびり下った。そして、11時51分に鏡平山荘に到着した。
   
 出発直後、テント場から双六小屋を振り返る。  鷲羽岳が遠くなっていく。
   
 中央のちょっと高いところが先ほど登ってきた双六岳頂上だ。  鷲羽岳の秀麗な山容に別れを告げる。
   
くろゆりベンチの手前、 西鎌尾根の向こうに燕岳が見える。  燕岳の山小屋・燕山荘。いい小屋だ。
   
 トリカブト  10時28分、花見平のベンチからの眺望。槍〜南岳の稜線。
   
 槍の隣・大喰岳〜穂高の稜線  
   
 槍の穂先に立っている人が見える。  槍ヶ岳山荘
   
 南岳と北穂高岳の間の大キレット。縦走の大難所だ。  北穂高岳北峰の頂上に立つ登山者と北穂高小屋。
   
 穂高の主峰・奥穂高岳(3190m)。右は難所のジャンダルム。  手前が西鎌尾根、奥が北鎌尾根。
   
 槍ヶ岳の右隣が大喰岳(3101m)  大喰岳の右が中岳(3084m)
   
 中岳の右が南岳(3133m)。頂上の右下に南岳小屋が見える。  奥穂高岳に雲が湧いてきた。左は涸沢岳(3110m)。10時39分、ちょっと休みすぎたようだ。
   
 11時20分、弓折分岐から10分ほど下ったところ。槍ヶ岳にも襟巻き状の雲がかかってきた。  浮かぶ雲が槍の穂先をいっそう引き立てる。
  鏡平山荘で宿泊手続きを済ませ、ラーメンを食べて生ビールを飲んだ。山小屋でヘリで運ばれてくる生ビールを飲むのはいつだって最高だが、今回は「槍を見ながら…」というオプションが付く。最高に最高だ。ヘリと言えば、ここの名物はかき氷で、松本市の製氷店の氷を空輸するというこだわりの一品だ。食べないわけにはいかない。

 山でのビールは1杯と決めているのだが、この日は生2杯に1缶という異例の展開になった。
 広場のテーブルでかき氷を食べていると、少し離れたところでビールを飲んでいたご夫婦と目が合い、二人はジョッキを手に寄ってこられた。そして、柿の種などつまみを出してくれるものだから、つい缶ビールでもということになった。夕食近くまで歓談して過ごし、夕食に生ビール…。
 お二人のことをちょっと書き留めておこう。新潟県燕市から来られたご夫婦で、ご主人は70歳。登山経験はわが夫婦よりうんと豊富だ。お二人とはわさび平小屋で意気投合し、双六小屋でも顔を合わせた。その後、三俣蓮華岳まで足を伸ばし、予定を早めて鏡平まで下りてこられた。そして、2時間近いおしゃべりタイムとなったわけだ。
 お二人との“因縁”にはおまけがある。翌朝、鏡池で顔を見たのを最後に二人は快調に先を行かれた。駐車場に着くと、新潟ナンバーの車はなくなっていた(というのは、わさび平小屋で懇切になってから思い返すと、駐車場に到着した時、近くで身支度をしていたのがお二人だったことに気づき、それで駐車位置が分かっていた)。ところが、汗を流しに立ち寄った温泉で、湯から上がってこられたご主人と顔を合わせた。実に楽しい出会いだった。

 17時からの夕食のあと、夕暮れが近づく鏡池で槍が映るのを待った。鏡池は鏡平山荘の左後方100mほどのところにあり、小屋からは木道が通じている。
 17時45分、ついにそのときが来た。鏡池のさざ波がおさまり、穂高連峰の雲が晴れていく。そして、続いて槍を覆っていた雲も取れていった。まさに鏡になった水面に、槍が穂高が映っている。これを見たくてここに泊まっているようなものだから、半分諦め気分だっただけにこんな嬉しいことはない。興奮冷めやらぬままに何枚も何枚も写真に納め、18時5分ごろに池を後にした。
 小屋に戻って歯磨きをしていると、外が騒々しい。何ということだろう。18時16分、槍ヶ岳が真っ赤に染まっている。アーベントロートだ。小屋の主人が「これほど見事に染まることは滅多にない」と言われるほど、それをわざわざカメラに収められるほどの代物だ。息をのむ、言葉が出ない…どんな修飾語を費やしても表現しきれない美しさ。ただただ夢中でシャッターを切った。そして、急いで鏡池へと走った。朱に染まった槍が、そして穂高が、水面に赤い影を落としている。絶句、しかない。…18時20分、少しずつ残照が弱まり黒みを帯びていく槍の穂先を惜しみつつ、小屋に戻った。

 小屋の「寝室」状況はなかなか厳しく、収容人数120人に対して90人余の宿泊者がある。「蚕棚」と呼ばれる区画が今宵の宿だ。ここの蚕棚は隙間なく3枚並んだ布団の隣に柱があり、それが4つ横並びになっている。通路を挟んで上下2段構造だから、布団の総数48枚。幸い布団は1枚ずつ与えられたが、50人近い人が同じ区画で寝るのだから、いろんな「ノイズ」は避けようがない。
 さて、3人の小区画にはわが夫婦ともう一人。かの人は単独行の男性で、やや年上の感じ。明日は、笠ヶ岳を目指すそうだ。19時ごろには横になり、寝付きの悪い夜を過ごした。
   
 生ビールと槍ヶ岳。最高だね。  鏡平山荘名物かき氷。氷は松本市の製氷店のものをヘリコプターで運んでいる。ちなみに、宇治金時は700円。となりの生ビールは900円だ。
   
 17時45分、ついにそのときが来た。鏡池のさざ波がおさまり、穂高連峰の雲が晴れていく。  
   
 槍ヶ岳の雲も取れてきた。  
   
 南岳小屋が西日に輝いている。  北穂高小屋と北峰頂上に立つ登山者。
   
 槍ヶ岳山荘の窓ガラスも夕陽に光る。  17時53分、静寂のときを迎える。
   
   槍の穂先にはまだ人影がある。
   
 18時16分、槍ヶ岳がアーベントロートに染まる。鏡平山荘前にて。  小屋の主人の言、「これほど見事に染まることは滅多にない」
   
 18時18分、鏡池に行けば、山頂部が朱に染まった穂高が映っていた。  
   
   18時18分、わずか2分の間に槍の朱は黒みを帯びてきた。
   
 鏡池に朱色の逆さ槍が映る。  
   
   18時20分、残照はいっそう弱まり、やがて暮れていった。
  【9月2日(金)】
 5時からの朝食は不覚を取り、トイレを済ませて食堂に行くと、直前で満室になってしまった。入れ替えの第2グループまで待たされ、25分ごろになってやっと食事にありつけた。
 6時には表に出た。6時10分、日の出。鏡池にも朝の光が差し込んでいる。しばらくその景色を楽しみ、15分に下山を開始した。駐車場まで1200mをひたすら下っていく。
 いつになく快調な下山で、9時20分にはわさび平小屋に着いた。20分ほど休憩して、再び出発。11時に駐車場に戻り着いた。標準タイムよりは若干多く要しているが、膝が痛まなかったおかげで快適に下山することができた。
   
 6時3分、左後方から朝の光を受け、槍の穂先が白んで見える。  6時10分、日の出。
   
   6時12分、日の出直後の鏡池。
   
   
   
 左後方からの斜光に北穂高岳と涸沢岳が白く見える。  奥穂高岳やジャンダルムの山頂部にも日が差し始めた。
   
 6時41分、焼岳とその奥に乗鞍岳が見える。  乗鞍岳
   
 焼岳  6時48分、西穂高岳。西穂にはたくさんのピークがあり、この位置からの同定は自信がない。おそらく独標からピラミッドピークあたりで、頂上は写真のさらに左だと思われる。
   
 8時6分、秩父沢からの槍ヶ岳。そろそろ槍も見納めだ。  西鎌尾根が槍ヶ岳に向かってまっすぐに延びている。
   
 小槍が圧倒的な存在感を示す。小槍の右のコブが曾孫槍。  9時40分、わさび平小屋を出てすぐ、行く手に錫杖岳が見えてくる。今回の山行も間もなく終わる。
  駐車場でリュックを下ろし、登山靴を脱ぎ…、やっと身軽になれた。そこから近くの日帰り温泉へ行き、山行中の汗とほこりを洗い流した。体が生き返る感じだ。そのあと平湯まで戻り、そばを食べた。胃袋もまた、生き返る感じがする。あとは、5時間のドライブで日常に戻っていく。



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