初夏の栂池自然園散策

2016年6月11日

 標高1900〜2000mの高所に広がる栂池自然園のミズバショウは、本州で一番遅咲きの群生地であることを売りにしている。例年6月下旬に見ごろを迎え、花期に合わせて「水ばしょう祭り」が開催される。ちなみに2014年は6月21日から29日まで、2015年は6月20日から28日までが祭り期間だった。2007年の6月24日に訪れた時など、相当部分が残雪に覆われている状態だった。
 今年はどうも様子が違う。まず、冬場の積雪が少なかった。 加えて春先の高温で雪解けが一気に進んだ。水ばしょう祭りは、10日早めて6月11日から19日までに設定された。そうした事情を踏まえて、祭り初日の6月11日に散策する予定で栂池ヒュッテを予約した。
 ところが、事態は予想を超えて進行した。ヒュッテの主人によると、5月27,28日にはや見ごろを迎え、その後に訪れた冷え込みによって茶変してしまったようだ。祭りの名称も、「栂池自然園祭り」に変更されていた。

 6月11日の早朝は快晴で、目の前の白馬三山は言うまでもなく、遠く五竜岳から白馬槍ヶ岳といった後立山の峰々がすっきりと眺望できた。しかし、朝食を済ませて散策に出かける7時40分頃には雲が湧き始め、その後は山頂を望むことは適わなかった。
 さて、ミズバショウだが、メインのミズバショウ湿原は確かに寂しかったものの、全体としては地元の人たちが言うほどダメではなかった。一面のミズバショウなどという贅沢を言わなければ十分に楽しめる状況だった。
手前の小蓮華は綺麗に見えているが、白馬三山には雲がかかってきた。 1周5.5kmの散策路は、一部山道区間を除いて木道が整備されている。木道の脇に伸びる木は、雪の重みに耐えつつ逞しく生きてきた生命の証だ。
ミズバショウ ミズバショウ
リュウキンカ ミヤマキンポウゲ
ミヤマキンポウゲ サンカヨウ
キヌガサソウ キヌガサソウ
ヒメイチゲ ヒメイチゲ
マイヅルソウ オオカメノキ
コイワカガミ  よく似た花でショウジョウバカマも咲いていたが、葉の形が違う コイワカガミ 
 コイワカガミ イワナシ 
 コミヤマカタバミ シラネアオイ  咲いている場所で色あいが異なる
 シラネアオイ シラネアオイ 
 エンレイソウ エンレイソウ 
ムラサキヤシオツツジ   ムラサキヤシオツツジ
 ムラサキヤシオツツジ タカネザクラ 
展望湿原付近から望む白馬大雪渓  雲が下がってきて雪渓の上部は見えない 
ここはいま新緑の季節だ  自然園入り口に建つ旧栂池ヒュッテ(現記念館) 
 栂池自然園へは、標高839mの栂池高原駅からゴンドラリフトで栂の森駅(1582m)まで上がり、さらにロープウェイで自然園駅(1829m)まで上がる。
 帰路の乗り継ぎアプローチで、昨日見つけておいたニリンソウを撮った。
 
 ニリンソウ  ニリンソウ
 今回の旅行には、旅行中に81歳の誕生日を迎えた母も一緒だった。帰りは木曽路を走り、寝覚ノ床に立ち寄った。いつもは通過点でしかないところだが、自然の営みによる造形美はなかなかいいものだ。 
 寝覚ノ床 寝覚ノ床 



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