150501 One Shot 2015.5

2015年5月のOneShotアルバムです。

5月1日(金)

今日から5月、新緑の季節です。
近くの森からはアカゲラの忙しい打音が響き、それに続いてトラクターのエンジン音が轟いています。そして、静寂の時を待って、ウグイスのさえずりとカエルの合唱が聞こえてきます。いのちの躍動が感じられる里の朝です。
5月2日(土)

クヌギは枯れ葉を落とさずに冬を越し、若葉の芽吹きでいのちのバトンをわたします。芽吹きとともに花を付けます。
サラサドウザンがやっと咲き始めました。レンゲツツジは、夏日の暖かさで一気に満開です。
日の入りから30分、西の空が黄金に輝き、代かきを終えた田んぼの水面がその黄金を映し出します。盛りを迎えたピンク色のツツジの背後に黄金の鏡が光っています。今日は里の夕景です。
5月5日(火)

ヤエザクラは落花盛ん。見事な花の絨毯です。
「サクラ散る」というと、その昔、大学入試の合否を知らせてくれる電報のダメバージョンを思い出すなあ。奈良には、「大仏の目に涙」というご当地電報もありました。
5月13日(水)

台風一過の晴天。
この時期に台風一過の晴天というのも、青天の霹靂。びっくりついでに、今回は「なんだこりゃ」編。

白い花は「サワフタギ」で、家の裏に咲いています。おそらく以前からあったのでしょうが、昨秋、瑠璃色の実を発見し、今春初めて花を見ました。「雑木」としか見ていなかった場所に、こんな綺麗な花があったのです。
屋敷の隅にある松の木も花を付けました。上の赤い部分が雌花で、下の茶色っぽい部分が雄花です。恥ずかしながら、雌花って初めて見ました。
5月14日(木)

カルミアの花が開き始めました。
庭先の一角で、妻がちょっとしたガーデニングを始めました。その際に植栽した木の1本がこれで、ホームセンターの駐車場でシーズン終わりのバーゲンセールをしていたものです。一緒に買ったツツジは確かに花期を終えていたのですが、カルミアはただ今元気に開花です。
5月15日(金)

庭のロウバイの木のほとりで、シランが開花しました。
ランと名乗るだけあって華麗な花姿です。ところが奥ゆかしいと言うか、花は下向きに開くので、地べたに伏せない限り下の写真のような構図で眺めることはできません。
5月17日(日)

家の裏でウツギの花が咲きました。
「空木」と書いて「ウツギ」と読みます。この木は幹が中空になっています。それが「空木」の所以です。

今朝、野で一番の輝きを放っていたのはタンポポの綿毛。季節は、初夏へと移ろいつつあります。
5月20日(水)

庭木の下のユキノシタが花を付けました。これは葉っぱの植物というイメージが強かったですが、綺麗な花を咲かせるのですね。玄関からほど近い場所に植わっているのに、忙殺される日々の中ではじっくりと見たことなどありませんでした。

里では田植えが終わろうとしています。
5月21日(木)

夜来の雨が上がり、澄んだ陽射しがモクレンの新緑に届きました。午前6時、修学旅行に出発する小学生たちの明るい声が聞こえています。

ガレージ脇の土手に、ヒトリシズカが咲きました。これは「一人静」と漢字で書いた方が雰囲気でますね。茎が1本なので「一人静」、2本のものを「二人静」と言います。
「二人静」とか「二輪草(ニリンソウ)」って、仲睦まじい夫婦のイメージが重なって、好まれるようです。そう言えば、長野県の早太郎温泉に二人静、鹿児島県の霧島温泉にもふたり静という旅館があって、泊まったことがあります。これが一人静じゃ侘びしいよなあ。
5月22日(金)

10時ごろから数分間、南東の空に彩雲が見られました。彩雲が田んぼに映り込み、上下2段の虹景色になりました。
撮影時に上の写真は−1.66、下の写真は−2補正しているので暗くなっていますが、実際はもっと明るいです。
彩雲というのは、太陽の近くを通りかかった雲が、緑や赤に彩られる現象です。理科っぽく言うと、雲に含まれる水滴や氷粒に太陽光が反射する事で虹色に輝いて見えてるってことになります。
5月24日(日)

深紅の薔薇が咲きました。バラからほど近いところで、クロアゲハが羽を休めていました。穏やかな日曜日の昼下がりです。
5月27日(水)

裏庭に咲いた花の名は不明。1cmにも満たない小さな花ですが、マクロレンズで撮ってみると花弁のめしべにはたくさんの繊毛が確認できます。おしべから落ちてくる花粉を確実に捕らえる知恵でしょうか。愛おしいいのちの営みです。
5月29日(金)

熊野古道・小辺路の果無集落を散策してきました。
小辺路は、高野山から熊野本宮大社へ向かう古道で、果無はその一部区間にあたります。十津川温泉・昴の郷から小一時間、石畳の残る古道を登り詰めた所に、天空の里・果無集落があります。
3枚目の写真を天空の花園にするか、天空の田んぼにするか悩んだ末に、田んぼの写真を選びました。観光ポスターで老婆が斜面の畑を手入れしている姿が印象的ですが、1枚っきりの天空の田んぼにそこに生きる人の逞しさを見る思いがして感動的ですらありました。



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